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有限会社竹内快速鋸は、鋸(ノコギリ)、包丁、鎌、包丁研ぎ器など、お客様に愛される商品を製作しております。

職人の技あり日本

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のこぎりの今昔

2019/12/13

のこぎりがなぜすぐ切れなくなるだろう。
お知らせ致しましょう・
昔は山鋸と言えば三尺近い巾広の鋸で大木を切っていました。
鋸刃の構成は53本の刃です。薄い一尺余りの枝引鋸も鋸刃の構成は53本です。鋸の全長二尺八寸から三尺鋸も全部53本です。鋸が大きくなれば鋸身も厚くなります。当然刃も大きくなります。鋸が小さくなれば鋸身も薄くなり刃も小さくなります。柄の近くは刃は反っていますが先端に行くほど屈んでいます。一番力の入る所は中央から先の方です。力学的にも考えられた鋸刃の構成でも昔の職人の腕の確かさが分ります。昔はあそこの鋸は切れる、あそこの鎌は切れると評判を聞いて遠い所から買いに来たものです。
今は鋸の職人などおりません。価格が高いと言えばすぐに安いのを作ります。折れると言えばすぐに折れない製品を作ります。昔は考えられなかった厚い鋼板に細い刃が簡単に出来ますが満足の切れ味が出来る事はありません。すぐ切れなくなります。切れなくなればいくら頑張っても下っては行きません。その代りチェンソーが出来ました。いくら時代が変わっても樹木は変わりません。13才からのこぎり一本槍で来て86才です。
87才は目の前です。私の鋸の木柄の高級品は全部予約済となりました。でも替刃式がありますが、これは今まで目を瞑って売って参りました鞘や柄に大きな欠点があるのです。原因は中身の鋸は最高としても働く方には柄や鞘の具合は悪くては完全とは言えません。
私は一鋸職人でありますが又発明家でもあります。鞘はアルミと高品質のプラスチック、柄もプラスチックにして機能の所はプラスチックにして作りたい。
今でも半病人ですが死ぬ前に完全な物にしてと思っています。鋸の切れ味も満足、柄や鞘も申し分ないと言う替刃式、価格は高くなるでしょう。しかし働く方の手間よりは安い柄や鞘は替刃式ですから一度買いましたら補充は鋸だけですからのこぎりの切れ味を満喫出来る替刃式に取り組みます。
死に損ないの戯言です。
竹内 英治

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