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有限会社竹内快速鋸は、鋸(ノコギリ)、包丁、鎌、包丁研ぎ器など、お客様に愛される商品を製作しております。

職人の技あり日本

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鋸刃について

2009/07/14

今日は当社の鋸と他社の鋸との切れ味のついてお話しようと思います。
他社の鋸は、使い始めはよく切れるのですが、刃先が少しでも磨耗しますと極端に切れ味が落ちます。
これは、鋸刃の形状を、手前の引く方に向かって刃先を反らせているからです。
昔の手引鋸のような角度にしますと、重くて引く事が出来ません。
そのため、使い込み刃先が減ってきますと、今度はつるつるとすべり、木に鋸が食い込まず、切れなくなってしまいます。
鋸は新しい状態の時には、力を入れて切るものではありませんし、軽く引くだけで切れる鋸でなくては、一日中仕事が出来るものではありません。
始めから力を必要とする鋸などは、すぐに切れ味が悪くなります。
力を必要としない鋸ならば、長く使用して切れ味が落ちたとしても、少し力を入れることで切れるからです。

50・60年前は、鋸刃はヤスリで目立てをしていました。
鋸の刃先が減ってしまい、通常の鋸刃にならない時に、鋸刃の刃先を一時的に針のように作り、少しでも通常の刃に切れ味を近付けるように目立てをしたものです。
もとより、剪定鋸にアサリのない刃は邪道なのです。
それを正道に開発したのが、私の鋸刃です。

鋸を使いますと、必ず鋸刃に切り屑が溜まります。
鋸刃全体に溜まりますと、鋸の木への食い込みが弱くなり、極端に能率が落ち、作業がはかどりません。
当社の鋸の薄い刃には切り屑は溜まりません。
4本目に1本ずつ切り出してある刃には溜まりますが、それが全体に波及していくことはありません。
他社の鋸の約3倍は長切れ致します。

10年程前に、ホームセンターのDIY会場で、私の鋸に有名メーカーが切れ味比べの挑戦をしてきたそうです。
会場にいた女子大生4人で切り比べを行ったときに、4人は口を揃えて「竹内の鋸の切れ味が一番いい、使いやすい」と言ったそうです。
挑戦してきた商社の方は青くなっていて、見ている方は気の毒だったと言っていました。
価格がそちらの方が上だったので、切れ味もいいと判断されての行動だったのでしょう。

私の鋸にも弱点はあります。
木の根切りをしますと、土や砂・小石などが鋸刃の鋭角な部分を丸め、二度と使用できなくなります。
流木も、目では見えなくとも小砂利や砂が木の中に食い込んでいるため、当社の鋸を使うと刃先を丸めます。

新品のうちは力を入れずに軽く切って下さい。
力を入れますと、木に食い込みすぎて刺さるような感じが致します。

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